「マネジメントは向き、不向きではない」というところがしっくりきた。管理職の仕事って、誰も教えてくれないので(少なくとも私の場合)、手探りで情報収集をしていますが本書は非常に分かりやすかった。
各ストロークの説明に関して、普段何となく意識していることが言語化されており、実践できていること、できていないことの振り返りにもなった。
序章
- マネジメントは、向き、不向きではない。きちんとした意識や知識、スキルを理解して運用できるかどうか。学んだり考えたりしないと身につかない
- マネジメントに向いた人:必要な意識や知識、考え方を、人生の何らかの場面で自然に身につけた人
第一章
- 言語化 = 思考
- わかっているけど言葉にできないということは、実はわかっていないところがある。
- 言葉を使うことで、自分の心の動きや動作、記憶をきちんと言語化したり、分類したり、分析したりすることができる。それにより、自分を客観的に分析して、理解することができる。客観的に理解できると、それを修正したり、より強めたりすることができるようになる。それができる状態を「セルフコントロール」と言う
第二章
- 受け身で話を聞くよりも、自分で能動的にマークを付けながら見て回るほうが頭に残る
- 交流⇒人間関係
- 肯定的ストローク:相手に対して肯定的であるということが伝わるような働きかけ
- ほめる、感謝する、うなずく、笑顔であいさつ、話に耳を傾ける、ねぎらう、励ます、支援する、頼る、握手をする、協力を求める、賛成する
- 否定的ストローク:相手のネガティブな意識・言動を、ポジティブな意識・言動に転換することのできる働きかけ
- しかる、注意する、警告する、反対する、やり直させる、断る、引き受けてもらう
- ディスカウント:相手に「軽視された」「尊重されていない」と感じさせてしまうような値引き行為
- 返事をしない、にらみつける、あざわらう、無視する、話を聞かない、理解を示さない、信頼しない、たたく、避難する、責める、悪口を言う
- 人は与えられたストロークを返そうとする
- 交流分析
- 強度の強い肯定的ストローク「話に耳を傾ける」
- 強度の強いディスカウント「無視する」
- 私たちは無意識にストロークを出し惜しみしたり、素直に受け入れないように抑制する癖がついてしまっている
- 体の姿勢、状態がストロークを左右する
- 相手にお腹が見えるくらいに相手に向かって体を開く
- 相手に向けて少し体を傾ける
- 背筋を立てる(腰、骨盤を立てる意識)
- 笑顔で、あいづちを打ちながら話を聞く
- 無言の頷きは、あまり肯定的な効果が出ない
- 人の話を聞く時に肯定的ストロークを与えていないということは、せっかくの関係構築の機会を無駄にしている
- 否定的ストローク:否定すべき言動のみを否定する
- ディスカウント:人格や人間性、存在を否定、軽視、攻撃する
- 人間関係のセルフコントロール、その第一歩は、自分のストロークをい意図的にコントロールすること
第三章
- 肯定的ストロークを与えるためには、相手に対して肯定する気持ちを持つ必要がある
- 相手を肯定するか否定するかは、基準をどこに置くかによる
- 基準を高くおけば否定することしかできない
- 相手の「いま」に置けば肯定することができる
- ディスカウントに対して、無意識にディスカウントを返してしまえば人間関係は悪化していく
- 相手を変えることはできない。相手を変えようと思ったら、自分のストロークをコントロールする
- 自分のストロークを変えるには、まずは相手に対する見方を変える
- 相手の都合や状況を考えずにこちらから働きかけて、思うように反応してくれないとディスカウントだと思ってしまう
第四章
- なんらかの原因で、相手を肯定的に見られない。そういう相手が出てくる
- 相手を肯定的に見ることができるように、セルフコントロールのきっかけが必要
- 「聴く」という肯定的ストローク(傾聴)
- あいずち、復唱、メモ、認知、姿勢・表情
- 7:3
- 何を聞けばよいか
- 気持ちを聞く(感情)
- ネガティブな気持ち
- ポジティブな気持ち
- 主観的情報
- ニーズを聞く
- どうなりたいか、どんなスキルを身に付けたいか、どんなキャリアを歩みたいか
- すべてに応えられない場合もあるが、聞くだけでも肯定的ストロークになるし、聞いてみないとわからない
- 個人のニーズと組織のニーズをつなぐ
- 与えられる仕事と相手のニーズにズレがあっても、それがどういう形で繋がっていくのかをしっかり説明すれば、その仕事の意味合いを前向きに捉えることができる
- すべての仕事でなくてもよい
- 工夫と思考を聞く
- 成功の原因分析
- 効果的に褒めることができる
- 強みを正確に把握できる
- ビジネスにおける強み:能力⇒行動⇒成果
- 能力や行動の有効性は成果とのつながりで測るしかない
- 成果の測り方:再現性、成果の高さ・大きさ
- 強み、弱みは上手・下手とはイコールにならない
- 受容と共感
- 受容:相手の言葉を理解して脳みそに受け容れること
- うなずく、復唱する
- 自分の意見に関係なく100%使える
- 受容しないと否定的ストロークを使えない
- 共感:相手の話を肯定する(気持ちに限定して)
- ⇒ 同調または反対
- 子供が叱られるとき、子供自身が悪かったと思っているケースが圧倒的に多い。あれこれ説教しなくても、自分の口で何がいけなかったかのか、どうすればよかったのかを喋らせればいい
第五章
- 相手が変わらないような働きかけは否定的ストロークとは言えない
- 意識や姿勢の問題は怒って見せる
- 相手の認識を前提にした論理を作る
- できるだけ相手を否定しない論理を組み立てる
- 否定的ストロークは相手を否定しない。相手を肯定したまま、相手の意識や行動だけを修正しようとする
- 相手の行動や言い分を100%否定せず、分解して、本当に否定するべき部分だけを否定する
- 否定的ストロークの3条件:理性的、論理的、部分的
- ビジネスの現場における、否定的ストローク
- 相手の言動を否定して、正しく修正する
- 正しい部分は肯定
- 相手の考え方や認識をもとに、論理を組み立てる
- 理不尽な要求を否定して、合理的な結論に修正する
- 引き受けられることは積極的に肯定
- できない部分を特定し、理由と対案を示す
- こちらの依頼を断ろうとする相手から、合意を得る
- 「一緒に」と提案
- 何を目的に否定するのか。その目的をしっかりと言語化する